来年度はこんな授業をしようかと|田中純 2007年02月17日
夏学期だけの大学院の演習と冬学期のみの学部生向けの演習について、ようやく授業内容を考える。
大学院(表象文化論演習)はさっそく先日の文献を参考書にして:
人文学のモデルとしての「考古学」と「自然史=博物誌(Natural History)」について考察する。前者についてはフロイトにおける無意識の考古学的探究、ベンヤミンにおける近代性の考古学、フーコーの「知の考古学」と言説分析などがテーマとなりえよう。導入としてKnut Ebeling und Stefan Altekamp: Die Aktualität des Archäologischen in Wissenschaft, Medien und Künsten. Frankfurt am Main: Fischer, 2004を用いる予定(だが、ドイツ語の能力は履修条件とはしない)。後者に関しては、三中信宏『系統樹思考の世界』(講談社現代新書)を糸口に「系譜学」の方法論について扱いたい。それは博物「誌」から進化論的な自然「史」へのNatural Historyの転換を踏まえ、人文知における歴史の科学性を問い直すことである。前史時代研究への系統学的分析の導入などによって考古学と自然史は方法論的な次元で現に結びつきつつあり、授業では二つの方向からのアプローチを緊密に関連づけたい。夏学期だけで扱うにはいささか欲張りなテーマ設定のため、必要に応じて補講をおこなう。
学部生のゼミ(表象文化史演習)は入門編として:
近代デザイン史研究
1.趣旨:近代デザイン史の基礎知識を修得したうえで、現代における「デザインへの欲望」について考察する。グラフィック、エディトリアル、ファッション、クラフト、プロダクトの各デザイン、および建築などについて、何が「良い」デザインなのか、そのデザインが喚起する欲望(購買欲、所有欲)とは何なのかといった問題を、具体的な対象に即し、表象文化論的に分析することを試みる。
2.授業の方法:文献講読については担当者を決め、レジュメを作成のうえ、レポートをしてもらう。参加者が一学期間に1回は発表をおこなう予定。中心となる文献のほかにも、関連する参考文献などの調査、関連するイメージの収集といった作業が必要になる。そのほかに、各自が対象となる「もの」を絞り、そのデザインをめぐる生産・流通・消費のメカニズムやそこに向けられた欲望の様態について分析した発表を同様の形式でおこなう。
3.評価方法:履修と単位取得のためには、原則として次のすべてを必須とする。1)授業における発表(2回):全体評価の約50%。2)レポート(8000字):自分が授業で発表したテーマに関するもの。論文としての形式(註など)を整えて書くこと。締め切りは卒業予定者とそれ以外とで異なる(学期末に指定する)。全体評価の約40%。3)出席点:言うまでもなく、規則的な出席と議論への参加が強く要求される。毎回必ず出席を記録する。全体評価の約10%。
4.授業日程、参考書:授業日程は開講時に示す。教科書:柏木博編『近代デザイン史』(武蔵野美術大学出版局)